日本全体を覆う大きな課題の一つに、少子化が挙げられています。
出生率が低下、同時に高齢者が増え、このままでは2040年ごろには、日本の人口は1億人を切るとの試算もあります。
少子化は、社会福祉の問題だけではありません!!労働や消費など、経済活動の主たる担い手となる世代が減少するため、経済問題にもなっています。自動車、住宅、エンターテイメント業界などで嘆かれる「若者の○○離れ」も、そもそも若者の絶対数が減少している…という事実を抜きにしては語れません。
少子化と貧困問題に、経済界が警鐘
そんな少子化問題の原因の一つとして、「貧困」も指摘されています。
日経ビジネス紙は「貧困」をテーマにした特集(3月23日号)の中で、この問題を取り上げています。
また、貧困のために「子供がいることを幸せと思えない」と語る若者の姿が、同紙オンライン版に掲載され、大きな注目を集めました。子供を安心して産み育てられるだけの、収入が得られない。
そうした若者が増える結果、出生率が下がり、経済成長を押し下げ、人々の収入が減少する…。
そんなデッドスパイラルが、とっくの昔にはじまっていたのではないか。私たちは、気づくのが遅すぎたのではないか…という気もします。
少子化問題解消へ向けて、民間企業が今、できること
少子化が経済にもデメリットを及ぼしている面は、消極的に言っても、決して否定できないでしょう。
ですが、民間にできることといえば、人件費や雇用、福利厚生といった側面が、どうしても重点になってしまいます。
これらに関するオペレーションは、短期的にはコスト増につながり、経営を圧迫しかねません。長期的な目線で見れば、人材力の強化につながる有効な投資と成り得るのは確かです。
特に、若者の減少・流出が問題視される地方においては、少子化への取り組みは、「自社マーケットを長期的に拡大させる」という意味合いも、相対的に大きくなるでしょう。ですが、中小・零細企業にとっては、雇用や人件費、福利厚生に割く余力が無い、という課題もあります。
大手企業にとっては、短期利益を重視する株主の増加も指摘されており、長期的な視線に立っての経営判断そのものが選択しにくくなっている…とも言われています。
まずは経営状態に大きく余力を持つことや、社会貢献の目線を持てるよう、コーポレート・マインドを改革していくこと等が、必要になるのではないかと思います。