会社員生活をしていると、「この資料は生まれた瞬間からゴミ」というような紙の束に出会うことがしばしばあります。
あまりに退屈で眠ってしまうくらい紙面をびっしりと埋め尽くす数字、何の意味があるのか分からない報告・・・等々。仕方なく作っている側面もあるとはいえ、会社員であっても、やはり将来的にはこういう紙でできたゴミは駆逐したいところです。
ましてや個人事業主ならば、百害あって一理もないはずです。
資料にとって、一番大切なものはメッセージです。つまり、その資料を読んで「何が分かるのか」ということが大事です。体裁、厚さといったものはすべてそのメッセージの飾りです。
メッセージを考える
一番重要なのは「資料を読むという面倒くさい手間をかけさせてまで、読み手に伝えなければならないメッセージは何か」ということです。
そして、メッセージは「聞いた人にとって価値があるか」ということで評価されます。たとえば、マーケティングの会議に出席しているのに、議題と関係ない世界平和についてのレポートを聞かされれば、特殊な感性の持ち主以外は苛立つはずです。
さらに、大人はメッセージを言いっぱなしでは終われません。どうして、手間をかけてそのメッセージを伝えなければならなかったのか、ということを説明しなければなりません。つまり、「どうしてそのメッセージが出てくるのか、という論拠」が問われます。
説明責任を有効に果たす
個人事業主であれば、顧客や利害関係者に対して説明する資料を作ることがあるかもしれません。
あなたが顧客に対して提案しているプランや、あるいはあなたがしようとしている事業に出資してくれる相手に対して事業プランを説明するかもしれません。このプランの本体が、伝えるべきメッセージの核心部分です。その時に重要なのは、まずは、メッセージの価値です。
聞き手や読み手にとって、どうすれば興味関心を引く話になるのかという点が重要です。次に重要なのは、説得のためのプロセスです。つまり、相手が「なぜそんな話になるの?」ということを洗いざらい出して、一つ一つ説明していく必要があります。
資料を作るときには、それが誰のためのものなのかということをきっちりと分析した後、どうすればそのメッセージを好意的に受け取ってもらえるかということを考えて、説明責任を有効に果たさなければなりません。そこでは、メッセージの価値と論拠がとても重要になります。