私は経営者の方の話を聞く機会が多いのですが、しっかりとした話を聞くと「いい会社だな~!」と思ってしまいます。ここで、しっかりとした話、といったのは、話がうまければいいというものではない、ということを改めて強調することです。
シンプルな理屈で、はっきりとしたメッセージを提示できる!これがしっかりとした話です。
話がうまくても、脈絡がない話には不安を感じます。
長々と話していても、なるほどな、と思うはっきりとしたメッセージ性がない話には魅力を感じません。
具体性を重視する
耳触りのいいことばを連ねるのはたやすいことです。
「わが社は、高い品質を適切な値段で短い納期で納めます」というのは誰にだって言えます。誰にだって言えるということは言い換えれば、あまり価値がないということです。
たとえば、高い品質というのはどういうことでしょうか。適切な値段、とはどういうことでしょうか。短い納期というのはどういうことでしょうか。ここを具体的にしていくためには、数字や事例などで、ことばの中身を埋められるようにしておく必要があります。
きれいごとを言うことは簡単ですが、不信感を持たれる可能性があることを理解しておきましょう。しかし、きれいごとや理想が力を持たないわけではありません。具体性がないから、説得力がないだけなのです。
話の軸を決める
他人に自分のことを理解してもらおうというときに、長々と喋るのは得策ではありません。会話時間のなかで、できるだけ他人の話を聞くということを重視しつつも、しっかりと自分の存在をPRするためには、話の軸が必要です。その軸はぶれてはいけません。
簡単に言えば、伝えるべきことは単純明快な一つのことでいいのです。その一つを伝えるために、他にどんな話をすればいいのか、どんなエピソードなら情報が豊かになるか、を考えていきます。
こうした魅力的な話をするためには、普段から、自社のことについて考えていなければなりません。それも、内部の立場ではなく、自社を評価する立場から考えていなくてはなりません。自分のことについて話をするときには評価が甘くなりがちです。しかし、話に具体性、数字や事例といった生々しさを求めることによって、厳しい目を向けることができます。
「これは強みです」と言っていてもありきたりなことしか言えなければ、強みではない、と判断するわけです。