フリーランサーにとって大切なこと。組織に依存せず、職業として成り立つ専門性=「専門職性」

フリーランスでの独立を考える時、鍵となるポイントの一つが『専門職性』です。

専門職性という言葉は、教職員や介護士などの訓練の分野では使われていますが、まだ一般的ではなく、掲載のない辞書もあるかと思います。そこで、簡単ではありますが、まずは言葉の意味から解説していきます。

専門職性とは、「組織に依存せず、職業として成り立つ専門性」と言い換えることもできます。

よりイメージしやすいよう、例を挙げましょう

たとえば、「A総合商社で、20年経理をやってきた」という人の場合、専門職性を身につけているでしょうか。残念ながら、これはYESとは言えません。
なぜなら、書類の書式など、その会社の中でしか通用しない部分もあるためです。

確かに経理の知識はあるため、『B工業』に転職しても、経理担当者としてやっていけるかもしれません。ですが、A総合商社とは違う部分もあるため、改めてB工業の経理を学び直す必要がありますよね。

一方、「会計士として、20年間、会計事務所で働いてきた」という人の場合はどうでしょうか?
勤務する事務所が変わったとしても、会計士として必要な知識や技能には大きな違いがないためです。“所属する組織”が変わっても、同じ能力が通用するので、これは専門職性があると言えるでしょう。

フリーランスとして独立する場合、必要となるのは『専門職性』です

フリーランスは、通常、複数のクライアントを相手に仕事を行います。
ですから、A社でも、B社でも、C社でも通用する能力でなければ、ビジネスとして成立が難しくなるのです。

会社勤務などの経験を元に、フリーランスとしての独立を考える場合、この点に注意が必要です。自分の持っているスキルは、本当に専門職性があるのか、しっかりと検討する必要があります。
特定の企業や、狭い業界の中でしか通用しないスキルなのか、それとも幅広い分野で活用できるスキルなのか、一度見なおしてみましょう。

『狭い業界の中だけでも通用するなら、その業界の中だけで仕事をすれば良いのでは?』
という考え方もできますね。これは分野によるでしょう。
たとえば『女性向け雑誌記事ライター』なら、その業界の中でも、活躍できる幅は広くなります。
女性雑誌は数多く発行されていますし、女性向けWEBサイトのコラムライティングなども、経験を活かして仕事ができます。

ですが、たとえば『鉄鋼業専門雑誌の記事ライター』となると、活躍の幅も限られてきます。『鉄鋼のことなら何でも書けます!』という人であっても、そもそも鉄鋼の記事が必要になるシーンが少ないためです。

専門職性を考えると同時に、『自分の持っているスキルは、どんな分野で活躍できそうか?』ということも考え、より幅広く通用するスキルを磨いていくことも、フリーランス成功の大きなポイントです!

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