ビジネス書を読むこと=コミュニケーション・思考のコストを下げること
ビジネス書を読むときには、その本が打ち出しているコンセプトを理解することが重要です。
そのコンセプトが何を意味するかということと、背景にある考え方をセットにして理解しておくことで、「○○はうにゃうにゃで××が△△」と退屈で長ったらしい話をするところを「ブルーオーシャンですね」と縮約することができるかもしれません。
これは、コミュニケーションのコスト、思考のコストを引き下げます。
また、一言で言えることを回りくどく分かりにくい説明をしたせいで、相手に「こいつ、物を知らないんじゃないか」と訝しまれるリスクを低減することもできます。
ビジネス書を読んだからといって、仕事がいきなりできるようになるわけでも、世界が一変するわけでもないと思います。
しかし、だからといって、ビジネス書を読まないと、世間のビジネスマンから宇宙人のように扱われる危険性が出てきます。さらには、気の利いた一言で、他者を感心させるチャンスを失いかねないのです。
日経新聞をなぜ読むか
ビジネスマンで、日経新聞を読んでいる人は少なくありません。
しかし、冷静に考えてみると、日経新聞の情報が優れているから読んでいるとはあまり思えなくなってきます。
たとえば、日経平均がいくら、TOPIXがいくら、というような判断は日々の変動レベルではほとんど普通のビジネスマンに影響しません。投資の判断にさえ、どちらかといえば、ノイズ情報ではないかと私は思っているくらいです。
また、企業がどこの会社を買収した、どこの会社と資本提携した、というような状況に関しても、自分に密接にかかわる業界ネタなら新聞を読まなくても耳に入ってくるでしょうし、それ以外の情報は日次で追う必要などなく、月単位でまとめて確認すればよいのではないかと思える程度です。
では、なぜ、多くのビジネスマンが日経新聞を読むのでしょうか?
それは、他の人が日経新聞を読んでいるからです。
日経新聞に出ているような情報を、価値があるかどうかは別として、共通言語としてコミュニケーションをとっている文化があるから、日経新聞をとるように薦められるのです。
ビジネス書にも、実は同じような側面があります。誰もが知っているようなビジネス書の内容を、大雑把にでも押さえておくことで、他人と話を合わせるときの苦労が大幅に軽減されるかもしれません。
キャッチ―なコンセプトを利用できることで乗り切れる局面があるかもしれません。