経営計画やビジネス本で見かける「ビジョン」という言葉の正体

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未来の姿を思い描いたら、どのように事業を回すかを考える必要があります。

未来に合わせて、事業の目標を設定します。「目標」というと、どうしても数値目標ばかり思い浮かべがちですが、必ずしも数値である必要はありません。
今の仕事に加えてどんな仕事をしていたいか・どんなスキルを持っていたいか、他の誰かから高い評価を受けるなど何でも構わないので、具体的な姿を目標として思い描いてください。

中期経営計画といえば、普通三年程度のスパンで作成しますが、三年後どんな姿になっていたいかということを肉付けします。

目標を何段階かのステップで表現することが大事

三年後の目標は、いくつかのステップで表現できるはずです。現在と未来をつなぐと、ギャップが生じます。そのギャップは、どういうステップで表現できるでしょうか。ここでは単純化のために、数値目標を考えてみましょう。

三年後に「1.5倍の売上」という目標を掲げたとしましょう。途中経過を無視して、三年後の結果だけがあっても仕方ありません。目標達成に向けて、きちんと進捗しているかを振り返ることができるように、ステップを設定します。たとえば、複利計算の要領で、毎年1.15倍ずつ売上を伸ばせば、だいたい1.5倍になります。では、この15%の伸びを確保するためには、どのようにすればいいでしょうか。また、一年目終了時点で、120%の伸びの場合、95%に落ち込んだ場合、それぞれ計画を修正する必要が出てきます。中間目標を設定するのはそういうことです。

そのステップを達成するための手段を考える

ステップが設定できたら、手段を考えましょう。現状と目標との間にはギャップがあるはずです。ギャップは、何らかの(経営)努力をしなければ埋まりません。ステップを分解したのは、途中経過から計画にフィードバックするだけではなく、目標を分割したほうがそれを達成する手段がわかりやすくなるからです。

手段に関して、どういうアクションを起こすことなのかということを具体的に描写する必要があります。つまり、目標に対する手段を具体化する中で、取るべき方針に加えて、望ましいアクションが決まります。

ここまでの工程を経ることによって、まず未来予想図から大きな目標ができ、そして、その目標をブレークダウンした小目標ができ、それぞれの小目標を達成するためのアクションの一覧ができます。これが計画となるものです。

経営計画などの本で、「ヴィジョン」ということばが使われることがありますが、それは大目標と同じような意味だと考えていただいてよいと思われます。

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