白色申告にせよ、青色申告にせよ、経理に関する業務をいかに手早く済ませるか、ということが重要です。
別に、確定申告の業務を丁寧にやったり、高品質に仕上げたからと言って、収入が増えるわけではなく、時間をかけるなら本業にかけたいところです。
一方で、ちゃんと経費をコントロールする、記帳する、証拠の領収書を収集する、といった活動は節税のためには必要不可欠です。
つまり、効率的に済ませるだけではなく、正確性も問われます。また、戦略も問われるでしょう。
どのようにして確定申告に関わる経理業務を迅速かつ正確にしていくか?
仕事の質を上げたい時に、何をしなければならないのでしょうか。経理業務に関しては、まず、知識です。個人事業主として、たとえ、本業に全く関係なかったとしても、フリーランスが知っておくべき税金の本、などといった類の本を一冊、二冊読んでおくことをお勧めします。
なんだか急がば回れ、というアドバイスをしているように思われるかもしれません。そういう人は、次のように考えてください。
仕事が効率よく進められるのは、頭の中に段取りができているからです。次にしなければならないことが分かっているから、今していることも効率的に進められます。全体の流れを把握して、ぼんやりとでもいいのでイメージしておくことは非常に重要なのです。
よく、業務の効率化というと、会計ソフトを入れればすぐに済むのではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、あくまでもITは道具であり、インフラです。何をするべきかわかっている人に便利な手段を与えてくれますが、すべて自動的に処理してくれるわけではありません。
何も経理の専門家として食べていけるレベルを求めているわけではありません。確定申告までには何をしなければならず、そのためにはどうしていくべきで、どういうことを知らなければならないのかということを流れとして知っておくほうがいい、ということです。
この記事もその役に立つと私は考えていますが、ぼんやりとでもいいので全体像をつかみましょう。
具体的に、やることがはっきりとイメージできたら手順を考える
たとえば、IT以前に、領収書がそろわないという人がいます。その場合、技術的な手段よりも、原始的な分類方法の工夫などで領収書収集・分類に苦しまないことを考えてみましょう。そして、それから、会計ソフトの活用方法を考えていくのです。
これは、ITが普及する前は当たり前のことでした。効率の良いシステム、情報システムの前から存在しています。それを実現したのは、段取りを考える力と工夫です。情報システムを導入するにしても基本的なことを知らなければ苦しみます。
まず、普段の業務で領収書を収集してくる過程、それを経費として足し合わせていく過程、さらにそれを記帳する方法、そして最後に確定申告にどう記述するか、このフローを十分に頭に描けているか否かで、会計ソフトを導入した時の効果さえ変わってくるのです。