個人事業主とは?会社員との違いや支払う社会保険など、個人事業をするのに必要な情報まとめ

個人事業主とは?

個人事業とは、会社形態で設立せずに個人で行う事業のこと。

自営業やフリーランスといった表現をとることもあります。

会社形態と比較すると、起業がしやすいため個人事業主になる人が多い傾向があります。

一般的には、起業時の従業員が事業主一人・家族のみなど小規模な経営が多く、売上・収入・従業員数などに制約があるわけではないので、個人事業で事業を拡大していくことも可能です!

個人事業が多い業種

専門性の高い技術職としてカメラマン・イラストレ―タ・漫画家などのクリエイター、弁護士・行政書士などの士業も個人事業が多い業種。

最近はITやWEB関連のお仕事も自宅を事務所に一人で始められることから増えています。

また、屋号で商売をする美容院、理容院、薬局、飲食店も個人事業のケースが多いです。

個人事業の特徴を知って理解を深めよう!

色々な業界で個人事業主が起業をしますが、そもそも起業の形態にはどのようなパターンがあるのでしょうか?

起業する時は業種によっては、個人事業・会社形態どちらにするか迷う人も多いと思います。

事業は、個人事業主とは別に、会社形態4つから選べます。

  • 株式会社
  • 合同会社
  • 合名会社
  • 合資会社

多くの場合「株式会社・合同会社」どちらかを選択するケースが多いです。

会社形態の方がしっかりしていそうだけどお金もかかりそう…そんな印象があると思いますが、ここで会社形態との違いを確認して、個人事業の理解を深めていきましょう。

開業、設立時の手続きや予算

開業時の簡単さは個人事業主の最大の魅力といえます!

税務署に開業届を提出するだけで予算も不要。

極端な事をいうと、起業するぞ!と決めた日に、届け出させすれば事業がスタートします。

 個人事業 会社形態
・開業届の提出
・予算は0円
・定款の作成と認証
・会社設立登記を行う必要
・予算は10〜30万円

余談ですが、事業の廃止もかなり簡単です!

廃業届を税務署に提出するだけですから、「やってみたい!」の想いをすぐにスタートできるのが個人事業の特徴です。

税金面での待遇

個人事業は法人形態と比較すると、税金面での待遇が低いのが特徴です。

経費、赤字の繰越など法人形態が圧倒的に有利です。

 個人事業 会社形態
・経費に認められる範囲が狭い
・赤字繰越は3年(但し、青色申告が必要)
・経費に認められる範囲が広い(経営者への給与や保険料等)
・赤字繰越は9年

サラリーマンから個人事業になる場合忘れがちなのが、所得税や住民税、そして個人事業税。

確定申告後に金額が決まるため、予算だけ確保しておきましょう!

個人事業主の社会保険料の支払い・生命保険料の控除

個人事業では社会保険料を全額自己負担です。

 個人事業 会社形態
・社会保険は全額負担
・生命保険料は所得控除
・・社会保険料は会社負担あり(自己負担50%)
・生命保険料は全額経費

会社員だった場合、社会保険は会社経由で支払っていたため種類や手続きに馴染の無い人が多いのでまず躓くポイントになります。

ここで、個人事業主が支払う必要がある、社会保険について確認しておきましょう。

社会保険は、健康保険料・介護保険料・国民年金・雇用保険料の4種類

健康保険料、介護保険料⇒【提出先:住所地の市区町村役場】

個人事業主の場合、各自治体の国民健康保険に加入するケースが多いと思いますが、場所や年収によっては負担金額が高額になるケースもあるため、シュミレーションして決めると良いでしょう。

自身がお仕事をする業界の保険組合などを調べてみるといいですね。

ちなみに、サラリーマン時代に入っていた健康保険に任意継続する事も可能です。

退職日から20日以内に申請が必要なので、退職前に決めておくとよいでしょう。

国民年金⇒【提出先:住所地の市区町村役場】

個人事業主の場合、年収によらず一律価格です。

雇用保険⇒【提出先:事業所の所在地を管轄する年金事務所】

事業主1人で事業をしていれば不要なため、サラリーマン時代より負担減となる部分。

従業員を一人でも雇えば、加入が義務となります。

関連記事:起業に従業員は必要なのか?従業員を雇うメリットとデメリット

健康保険料・国民年金に関しては、起業時収入が少ない場合、家族の扶養に入る事で支払わずに済む場合も有ります。

例えば、奥さんが個人事業で開業、会社員である旦那さんの扶養に入る場合、社会保険料(健康保険料・年金)を支払わずに済みます。

開業時は収入が少ない場合も多いので、検討してもよいでしょう。

細かな条件は、会社や各健康保険組合でかわるため、確認をしてみてください。

個人事業主の会計・経理の手続き

個人事業は年1回の確定申告が必要です。

法人形態の場合、書類が複雑なため税理士にお願いするのが一般的ですが、個人事業の場合、事業主が自分で手続きができます。

最近ではクラウドタイプの会計ツールも利用でき知識が無くても簡単に処理できるようになっているので自分で簡単に手続きができます!

 個人事業 会社形態
・確定申告 ・法人決算書・申告税理士

個人事業主の信用度

信用面は一般的には、法人形態が高く個人事業は低いと言われています。

確かに、最近では法人形態でないと取引しない企業があったり、従業員の採用をする時も印象が良いのが法人形態といえます。

しかし、個人としての信用がしっかりと築けている事業主の方や事業団体であれば、法人に匹敵する信用はあるといえるかもしれません。

個人だからこそ築ける信頼をしっかりと広げていくことが信頼をUPさせるポイントです!

起業するなら個人事業主?法人形態?

個人事業は、手続きが簡単で費用負担が少ないため「やってみたい!」をすぐにスタートできるのは最大の魅力。

起業時には個人事業でいいの?と悩む方もいると思いますが、事業スタート時に大きな投資が必要でなければ、個人事業でスタ―トするのが良いでしょう。

いままで築いてきた個人の信用で事業をスタートできます。

もちろん、信用の高い法人形態も様々な魅力がありますが、法人形態は設立・解散に費用がかかるため、まず始めたい!という方であれば個人事業で初めてみて様子を見るスタイルで良いでしょう。

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