今さら聞けない!個人事業主にとっての消費税

消費税の仕組み

消費税とは、物品やサービスを購入した時、その価格の一定率を消費者が納める間接税です。
税率は年々変化しており、2014年3月現在は8%となっています。

サラリーマンなど給与所得者の場合、消費税は負担するのみですが、個人事業主になると、消費税を「預かる」場合もあります。
事業主は、消費者から預かった消費税をまとめて、国庫に納税します。

事業主の払う税金の中でも、消費税は他の税金と違い、「お客様から預かったもの」に過ぎません。
消費者が国に払う税金を、事業主に一時的に預けている形です。
従って、たとえば定価1,000円、税込み1080円の商品を販売した際、定価分の1000円は事業者のものとなりますが、消費税分の80円は「国のもの」と考えておきましょう。

消費税の金額と流通

消費税の掛けられる対象は、末端価格だけではありません。商品や原材料の仕入れの段階でも、消費税が発生しています。
ですが、流通の各段階の事業者が「預った消費税」と「支払った消費税」の差額として納めるため、最終的に消費者が収めた消費税額と一致する仕組みとなっています。
以下、簡単な例を示します。

    (1)小売店が卸売業者から、定価10,000円 + 消費税 800円で仕入れをする。
    (2)小売店が消費者に、定価20,000円 + 消費税1,600円で販売する
  

この時、小売店が納める消費税は、消費者から預かった1,600円 – 小売店に預けた800円で、800円となります。
卸売業者が小売店から預かっている消費税も、800円です。
従って、800円 + 800円で、消費者が負担した1600円と同額が、国庫に収められる結果となります。

消費税の課税事業者と免税事業者

消費税には、課税事業者と免税事業者があります。免税事業者は、消費者から預かった消費税を、国庫に収めなくても良いこととなっています。

以下の要件を満たす場合、消費税の課税事業者となり、納税義務が発生します。
   

    A:売上が1,000万円を超えた場合 … 2年後より、課税事業者となります。
    B:個人事業者で、1月1日から6月30日までの期間における、売上(または給与等支払額)が1,000万円を超えた場合 … 翌年より課税事業者となります。
    C:「消費税課税事業者選択届出書」を提出した場合

課税事業者となった後も、売上が1,000万円以下に落ち込むなど、上記要件に当該しなくなった場合は、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を提出することで免税事業者に戻ることができます。
ただしCの場合、届け出から2年間は変更することができません。

消費税の還付

事業者の消費税の納付は、「顧客から預かった分」と「仕入れなどで支払った分」の差額で計算されます。
従って、下記のように“差額がマイナスになるケース”では、消費税の還付が行われます。

    定価1000円(+消費税80円)の商品Aを10個仕入れる … 仕入れ原価 : 10,000円 + 消費税800円の負担
    商品Aを売価2000円(+消費税160円)で販売するが、1個しか売れなかった … 商品売上額 : 2,000円 + 消費税160円の預かり
    

事業者の消費税の納付は、「顧客から預かった分」と「仕入れなどで支払った分」の差額で計算されます。従って上記事例の場合、160円 – 800円で、-640円となります。

上記の事例では、消費税の差額を仕入れ代金で考えましたが、これは仕入れ代金のみでなく、設備投資など事業経費全般に適応できます。

例えば、1億円の設備投資を行い、合計800万円の消費税を負担した場合、自社が顧客から預かった消費税が800万円以上にならなければ、消費税の負担額は発生しないこととなります。

参考情報:消費税│国税庁

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